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2007-07-27

金曜美術館

長期戦を覚悟していたクレームが拍子抜けするほどあっさっりと解決し時間が空いたので、ちょっと早めで長めの昼休みをとる事に(サボリだろとか言うの禁止)。

草薙に程近い現場だったので、思い立って県立美術館1階の県民ギャラリーで開催されている『石田徹也―悲しみのキャンバス』展に行ってみました。

調べずに行ったので少数の展示だろうし30分ほど見れば、と軽く考えていたのですが何と、大小さまざまな作品、子供の頃の絵から創作ノート、果てはチャリティーに共した画入りのジーンズに至るまで、実に150点の大展示でした。ちょっと都内とかではスペース的に無理でしょうね。ざざっと見ただけで1時間掛かりました。

石田徹也の画は数年前、購読していたスポーツ専門誌「Number」巻末のコラムの挿絵で初めて見ました。
アスリートの似顔は醜くデフォルメされているのにディティールは異常にリアルなのが妙に印象に残り、他の雑誌などで調べた記憶があります。しかし焼津市出身だということ、またその他のもっと異色の作品の存在は(多くの彼のファンと同じように)、昨年放送のテレビ番組で見るまで知りませんでした。

彼の作品を見て「管理社会、成果主義、人権問題などを批判し、警鐘を鳴らしている作品」と解釈するのが普通だと思いますが、「警鐘を鳴らすとかではなく、ここ数年は自分が見たまま、思ったままを絵にしているだけ」という意味の雑誌のインタビューの一部が掲示されていました。

世の風景が彼にとってはあのように見えて居る訳で。それは辛いなぁ。

作品はどれも見応えが有りましたが、100パーセント共感できないのは、私が歳をとったせいなのでしょうね。
―そんな風に物事を見たら辛いだけでしょ。世の中もっと楽しい事もあるよ。
そう作者に伝えたくなりました。

2000年に入ってからの作品には、廃車や墓石がベットだったりと病院や『死』を連想させる作品が続きます。
―もういいよ、そんなに現実を見つめなくても。ゆっくり休みなよ。
見ているこちらも辛くなってきました。重いです。重すぎ。


石田徹也は2005年5月、故人となっています。享年31歳。

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コメント

石田徹也ですかー。そりゃランチがてら見るのには重過ぎですよー(^^;)。
私は去年、本屋で遺作集を手に取り知りました。「うわこれキッツイなー」と思いつつも、全ページ目を離せなかったです。画家本人が事故で夭折しているというのも重いですね。

作品の表現としてはかなり「解りやすい」ですよね。社会に対する風刺というよりも、そこで生きて蠢いている自分自身を客観的に、淡々と見つめてキャンバスに写し取っているようで、その視線が辛いです。寂寥感のみが支配する世界に生きていたのかなぁ…。

ある種の天才でしょうし、作品も後世に長く残ると思うんですが、何もそんなに生き急がなくても良かったのに…とはやはり考えてしまいますね。8/19までですか。見たいけど、ちょっと腰が重いなー。

投稿: セータ☆ | 2007-07-27 22:02

セータ☆さん

ええ、ええ。ただ重かったです。結局昼飯は食えずじまいでした。
美術館を出た後、めちゃくちゃ暑く、すぐ現実に戻れて助かりました。
夏休み中で子供も来ていたけど、大丈夫かなと心配になります(笑)。

見る前は画も簡潔でテーマも判り安い初期の作品(遊具の飛行機になってる人とか)だけをイメージしていたので、晩年の、「男」の顔が格段にリアルになった「自分の内面に向き合うような」作品には結構キました。
初期と言うと21~22歳、晩年と言ってもその8~9年後なので、やはり天才なのでしょうね。

なんと件の「Number」に掲載された小さい挿絵も展示されてました。この画家の作品がこれだけ集まる事はもう無いかもしれません。

投稿: me20 | 2007-07-28 00:33

私も近場で展覧会があれば、是非足を運びたい画家の一人なんです。機会がなくて、現物を一度も見た事がないのですが、去年、NHK教育の日曜美術館で特集された回を画集とともに、未だに繰り返しよく見ます。

いつも彼の絵を見るたびに、心にさざ波が立ってしまうのですが、何故か引きつけられて止まないんですよ。パッと見は奇をてらった印象でもありますが、本質を飾ることなくえぐり出している部分に共振しているのかも知れません。

投稿: たかね | 2007-07-28 20:51

たかねさん

遺作集をお持ちなのでしたら是非見るべき、と言いたいところですが、たかねさんのブログを拝見するとお忙しそうなので無理でしょうねー。残念です。

実際に作品を見ると、写真では判らなかったその大きさ(ホントに大きい)、色の鮮やかさに驚きますよ。そして、よりメッセージが強く伝わって来る気がします。

投稿: me20 | 2007-07-29 00:26

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