前回の日記で「 T-37とは一体どの車輌の事を指すのか判りません~」と書いたところ、いつもお世話になりっぱなしのセータ☆さんより、比較的近年刊行された資料本の中から、T-37とT-37Aに関する部分をまとめた長文のメールを頂きました。
ブログに載せても良いとの了解を頂いたので、資料に関する内容を以下に記させていただきます。
なお、文中の【FORTのキット】とはこれのフレームアンテナの無いタイプです。

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■1)エクスプリント刊 2002年発行 ・『祖国の装甲機械・1905-1941』
T-37・・・【FORTのキット】を基準とすると、車体側面フロートが無くただのフェンダーになっており、砲塔の高さやその他車体各部も細かい部分で微妙に異なっているタイプを「T-37」としている。このタイプは39両が生産されたとしている。
T-37A・・・【FORTのキット】と同様の形式をT-37Aとしている。
「砲塔前部が傾斜し、操縦手席前面が平らなタイプ」については特に記述無し。
T-37(上記とは異なる車輌)・・・カーデンロイドの水陸両用戦車の流れを汲む試作車輌のひとつもまた「T-37」として項目を設けて解説している。
■2)ブロニェコレクツィヤ 01/2003・『赤軍の水陸両用輌』
T-37・・・文中で述べられてはいるが写真・図版は無し。
T-37A・・・【FORTのキット】と同様の形式を広くT-37Aとしている。
1)の本で「T-37」としていた「車体側面フロートが無くただのフェンダーになっている等の特徴を持つタイプ」は、写真キャプションでは「T-37A」として解説。
「砲塔前部が傾斜し、操縦手席前面が平らなタイプ」もT-37Aと分類。
■3)フロントヴァヤ・イリュストラツィヤ 03/2003・『水陸両用戦車 T-37 T-38 T-40』
T-37・・・カーデンロイドの水陸両用戦車の流れを汲む試作車輌のひとつを「T-37」としており、写真が1枚掲載されている。
T-37A・・・【FORTのキット】と同様の形式を広くT-37Aとしている。
1)の本で「T-37」としていた「車体側面フロートが無くただのフェンダーになっている等の特徴を持つタイプ」は「T-37A・第1シリーズ(極初期型)」として解説。
「砲塔前部が傾斜し、操縦手席前面が平らなタイプ」はT-37Aとしながらも「イジョルスキー工場車台」として分類・解説をしている。これはこの本のみに見られる記述。
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セータ☆さん、どうもありがとうございました。
ご覧のとおり、T-37Aについてはほぼ似た記述ですが、T-37に関しては資料によって微妙に違いがある、という事を教えていただきました。T-70もそうでしたが、ロシア軽戦車はまだまだこういう事が多いのですね。何れにしろ、私なんぞがちょこっと調べて判断できるわけありませんでしたよ…。
私が前回の日記で、グランパの97年9月号の記事に「T-37」とのキャプションがあるよ?と書いた写真の車輌も、Tankograd No.14のT-37 late variantも同じ「あんぱん5個タイプ」と書いた「イジョルスキー工場車台のT-37A」でした。
ロシア戦車についての研究も年々進んでいる訳で、さすがに10年近く経っている本ならば(間違いという訳ではなく)、新資料の発見によって、書かれた内容が古くなって当然かも知れません。
この辺の資料の上手い使い方が私には昔から出来てなく、キャプションや図面なら書かれた年代を考えずに頭から信じてしまう傾向があるので、気をつけなければなりません。
で、教えて頂いた内容にはTankograd No.14の『T-37 late variant』という記述も見当たらないようなので、これも要注意です。私は昔から洋書なら頭から信じてしまうので…(以下略)。
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